西安金橋国際旅行会社と陝西友聯国際旅行会社のブログ

西安及び中国全土の個人旅行用車、ガイド、地元美食などのお手配いたします。

600年の歴史を持つ茯茶製造、デジタル化進む 陝西省咸陽市

600年の歴史を持つ茯茶製造、デジタル化進む 陝西省咸陽市
11月30日、「益生源記」茯茶工房で、精選工程を見せる製茶師の劉林(りゅう・りん)さん(左)と王萌楽(おう・ほうらく)さん。(西安新華社記者/鄒競一)

 

 【新華社西安12月7日】600年以上の歴史を持つ中国の茯茶(フーチャ)が、現代科学技術によって、伝統的な製造工程の正確な管理と生産の標準化を実現している。

 

 陝西省咸陽市はかつて、西域に通じる茶と馬の交易路「茶馬古道」の重要な集散地だった。茯茶は発酵茶の一種で、輸送しやすいように茶葉をレンガ状に固める特殊な製法を地元の人たちが考案したとされる。伏天(夏の一番暑い時期)に加工され、茯苓(ブクリョウ)に似た効能があるため、このように呼ばれる。

600年の歴史を持つ茯茶製造、デジタル化進む 陝西省咸陽市
11月30日、「益生源記」茯茶工房で、茶の緊圧工程を見せる製茶師の劉林(りゅう・りん)さん。(西安新華社記者/鄒競一)

 

 茯茶は明清時代には辺境の少数民族の馬と交換する重要な物資で、「官茶」とも呼ばれ、穀物や牛乳、肉と共に、西北地域の人々の生活必需品だった。

 

 咸陽市の茯茶製造技術は、第5次国家級無形文化遺産の代表的項目リストに登録され、保護、継承されながら現代の生活に溶け込んでいる。同市には茯茶関連企業が60社余りあり、30以上の国・地域に製品を販売している。

600年の歴史を持つ茯茶製造、デジタル化進む 陝西省咸陽市
芤渭茯茶スマート工場の緊圧作業室。(資料写真、西安新華社配信)

 

 中国茶葉流通協会の紀暁明(き・ぎょうめい)副会長は「伝統的な工程を現代的な産業発展に適応させる上で難しいのは、生産の標準化や大規模化を進めながら伝統工程の精髄と品質を維持することだ」と語った。

 

 茯茶製造の重要工程の一つである「発花」は、緊圧した茶磚(ちゃせん)を適切な湿度と温度の下で保存して自然発酵させ、「金花」と呼ばれる黄金色のアワのような麹カビ(冠突散囊菌、Eurotium Cristatum)を表面に発生させる。「発花」によって、茯茶は独特な香りの菌花香と脂肪除去の効能を得るため、「金花」は茯茶の品質を評価する重要な指標となる。

600年の歴史を持つ茯茶製造、デジタル化進む 陝西省咸陽市
芤渭茯茶スマート工場で、作業を完了した無人搬送台車(AGV)。(資料写真、西安新華社配信)

 

 茯茶関連企業はここ数年、発酵技術や加工設備、製品イノベーションなどに関する研究を積極的に行い、茶の品質形成メカニズムを解明し、「発花」工程における品質管理の課題を解決してきた。

 

 今年、IoT(モノのインターネット)やビッグデータ、スマートロボットなどの現代科学技術を融合した芤渭(けいい)茯茶スマート工場が完成し、伝統的な茯茶製造からデジタル化生産への転換がさらに進んでいる。(記者/蔡馨逸、鄒競一)