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西安の古代遺跡から珍しい文化財が多数出土

中国北西部・陝西省にある西安市文物保護考古研究院が27日に明らかにしたところによると、西安市長安区曹家堡村では古代遺跡2823カ所が発見されており、そのうち1088基の墓が発掘調査され、西安地区で初めて発見されたものを含めて数多くの文化財が出土したということです。

△戦国時代の墓から出土した透かし加工の蟠螭紋銅鏡

 

 2022年8月以降、西安市文物保護考古研究院は西安市の南西部に位置する長安区曹家堡村で文化財探査、遺跡の測量・製図、考古発掘調査を実施し、計2823カ所の古代遺跡を発見し、そのうちの1088基の墓に対する発掘調査をおこないました。これらの墓は春秋時代(紀元前770〜紀元前453年)から唐(618〜907年)までのものとされ、中でも東周(紀元前770〜紀元前256年)、秦漢時期(紀元前221〜220年)のものが圧倒的に多いです。このほかにも車馬殉葬坑10基以上が発見されており、馬坑1基と車馬坑1基が発掘され、陶器、銅器、鉄器などの文化財4000点(セット)余りが出土しました。

 

 今回の考古発掘プロジェクトで出土した秦の墓は規模が大きく、等級が高く、これまでに西安で発見された秦墓の中でも珍しいものです。そのうち殉葬者が確認された墓が25基以上見つかっており、特に青銅製の鼎5点と銅簋(き)4点が出土した2基の墓があり、秦の大夫クラスの貴族の墓だったとみられています。

 

 数々の出土品のうち、戦国時代(紀元前476〜紀元前221年)のものとされる墓から、透かし加工が施された蟠螭(ばんち)紋銅鏡が出土し、そのデザインは絶妙で、西安地区でも初めての発見となっています。また、戦国時代の墓から出土した液体は、実験室で検査した結果、アルコール類物質が含まれている可能性があり、西安地区の酒類遺構の発見は戦国時代初期までさかのぼりました。漢代の墓から出土した木製のくしは、近年に西安地区で出土した比較的完全な有機文化財の一つとなっています。さらに、漢代の墓から出土した穀物は、西安地区における漢代の農業生産を研究するための新たな材料となっています。

 

 唐代の墓から、紙の経文1巻と銅像が入った銅製の箱が出土しました。そのうち、紙の経文は近年に中国国内の墓から出土した最も完璧に保存された紙文書です。経文は『仏説摩利支天救護身命経』で、銅像は摩利支天像である可能性があると推測されています。摩利支天は主に密教によって伝えられたものであることから、同経文の発見は、唐玄宗(在位712〜756年)時代以降、密教西安地区で広く伝わっていたことを証明し、中国仏教史、仏経伝来史などの研究にとって重要な意義があるとみられています。(ZHL、野谷)